システムベットで一番有名な「マーチンゲール法」は、高い勝率と引き換えに破滅のリスクも伴う諸刃の剣です。
また、連敗に耐えられるだけの軍資金が無いとそもそもマーチンゲール法を行うことも出来ないというデメリットもあります。
「パーレー法」は、そんなマーチンゲール法の特徴を真逆にしたシステムベット。
目標連勝数を達成する確率は低いですが、引き換えにリスクも少ないです。
- パーレー法とは?
- パーレー法の期待値、勝率を知りたい!
- マーチンゲール法と組み合わせると最強って聞いたけど…?
本記事では、システムベットのひとつ「パーレー法」について、やり方や勝率、期待値などについて解説していきます。
パーレー法とは
パーレー法とは、「勝負に勝った」際に次回の賭け金を2倍にする、まさにマーチンゲール法の真逆のシステムベットです。

「配当金額2倍、勝率約50%」のゲームで有効となるシステムベットです。
パーレー法を使う上で、大事なことは「目標連勝数」を事前に決めておくこと。
「目標連勝数」を達成したら、勝負を止めるか、再度初期ベット額に戻してパーレー法を再開する…という流れです。
パーレー法のメリット
パーレー法のメリットは、少ない軍資金でも大きな勝ちを拾える可能性があるということ。
また、資金の増えるスピードがとても速いということもメリットのひとつでしょう。
連勝数 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 |
ベット金額 | 1$ | 2$ | 4$ | 8$ |
合計投資 | 1$ | 3$ | 7$ | 15$ |
合計回収 | 2$ | 6$ | 14$ | 30$ |
収支 | +1$ | +3$ | +7$ | +15$ |

さらにどのタイミングで負けても、必ず負け額は「初期ベット額」となり、損失が増えにくいこともメリットのひとつです。
上の表から、4戦目で負けてしまったことを考えてみましょう。
3戦目終了時点で、利益が「+7$」ありました。
4戦目のベット額は「+8$」のため、もし4戦目で負けたとしても損失は「-1$」です。

パーレー法のデメリット
パーレー法のデメリットは、パーレー法を1周完了させる確率がとても低いこと。
実際のカジノゲームでは、「1回の勝負」で最高でも約49%の勝率しか出せませんので、パーレー法の目標回数を5回と定めた場合の成功率は約2.82%しかありません。
そして、「目標連勝数」に届かない場合は全て「負け」扱いとなり、「初期ベット額」と同じ額の損失が出ます。
パーレー法を使ってカジノゲームを楽しみたい場合、目標連勝数は現実的な数字で設定しておくと良いでしょう。
連勝回数 | 出現確率 | 1回の収支 |
1回 | 49% | 1$ |
2回 | 約24.01% | 3$ |
3回 | 約11.76% | 7$ |
4回 | 約5.76% | 15$ |
5回 | 約2.82% | 31$ |
6回 | 約1.39% | 63$ |
7回 | 約0.68% | 127$ |
8回 | 約0.33% | 251$ |


パーレー法の期待値・ハウスエッジを計算してみた
パーレー法の期待値を実際に計算してみたところ、面白い結果が出ました。
計算方法は通常の期待値計算となり、以下の通りです。
- (勝利金額×出現確率)+(負け金額×出現確率)=1回あたりの期待値
基本的にカジノゲームは五分五分の戦いを行うことは出来ず、頑張っても49対51の勝負。
長い目で見ればカジノの胴元側が得をする仕組みとなっています。
頑張れば勝率約49%までは持っていけるのですが、勝率49%まで持っていけるゲームと方法はたった2種類しかなく、下記の通りです。
しっかり下記に該当するカジノゲーム・条件で実践しましょう。
勝率約49%のゲーム
- ヨーロピアンorフレンチルーレットで、特殊ルール「アンプリゾン」or「サレンダー」がある
- バカラでひたすら「バンカー」に賭ける(勝率50%を超えられるが、配当倍率が1.95。)
バカラで「バンカー」に賭けることで勝率50%を超えることが出来ますが、配当倍率が1.95倍です。
実質、「配当倍率2倍・勝率約49%」と同じ価値がありますが、バカラは「引き分け」が多いため時間効率ではルーレットの方が上です。
ブラックジャックはベーシックストラテジーを徹底することで期待値が約99.7%まである美味しいゲームですが、勝率が最高でも約47%にしか伸びないため、パーレー法には向いていません。
そのため、パーレー法を試す際は特殊ルールの存在するルーレットで試すと良いでしょう。

パーレー法の期待値・目標連勝数3回の場合
連勝数 | 出現確率 | 収支 |
1回 | 49% | +1$ |
2回 | 約24.01% | +3$ |
3回 | 約11.76% | +7$ |
4回 | 約5.76% | +15$ |
5回 | 約2.82% | +31$ |
初期ベット額を1$、1回の勝負を勝率49%と仮定します。
3連勝する確率は約11.76%、3連勝で止めた際の収支は+7$です。
パーレー法は、連勝数に満たない場合、どこで負けても初期ベット額分の損失が出ます。
つまり、(100%-11.76%=88.24%)約88.24%の確率で1$負けるということです。
期待値計算式に当てはめてみると、
{7$×0.1176+(-1$)×0.8824}=【-0.0592$】
・・・期待値がマイナスとなりました。
パーレー法を3連勝で止めてまた繰り返す…というシステムベットをすると、初期ベット額1$に対し、【0.0592$】ずつ損していくということになります。
また、今回はキリの良い「初期ベット1$」に設定したため、【0.0592】はそのままハウスエッジ【5.92%】と捉えることも出来ます。

パーレー法の期待値・目標連勝数4回の場合
連勝数 | 出現確率 | 収支 |
1回 | 49% | +1$ |
2回 | 約24.01% | +3$ |
3回 | 約11.76% | +7$ |
4回 | 約5.76% | +15$ |
5回 | 約2.82% | +31$ |
初期ベット額を1$、1回の勝負を勝率49%と仮定します。
4連勝する確率は約5.76%、4連勝で止めた際の収支は+15$です。
パーレー法は、連勝数に満たない場合、どこで負けても初期ベット額分の損失が出ます。
つまり、(100%-5.76%=94.24%)約94.24%の確率で1$負けるということです。
期待値計算式に当てはめてみると、
{15$×0.0576+(-1$)×0.9424}=【-0.0784$】
・・・また期待値がマイナスとなりました。
パーレー法を4連勝で止めてまた繰り返す…というシステムベットをすると、初期ベット額1$に対し、【0.0784$】ずつ損していくということになります。
また、今回はキリの良い「初期ベット1$」に設定したため、【0.0784】はそのままハウスエッジ【7.84%】と捉えることも出来ます。

パーレー法の期待値・目標連勝数5回の場合
連勝数 | 出現確率 | 収支 |
1回 | 49% | +1$ |
2回 | 約24.01% | +3$ |
3回 | 約11.76% | +7$ |
4回 | 約5.76% | +15$ |
5回 | 約2.82% | +31$ |
初期ベット額を1$、1回の勝負を勝率49%と仮定します。
5連勝する確率は約2.82%、5連勝で止めた際の収支は+31$です。
パーレー法は、連勝数に満たない場合、どこで負けても初期ベット額分の損失が出ます。
つまり、(100%-2.82%=97.18%)約97.18%の確率で1$負けるということです。
期待値計算式に当てはめてみると、
{31$×0.0282+(-1$)×0.9718}=【-0.0976$】
・・・またまた期待値がマイナスとなりました。
パーレー法を5連勝で止めてまた繰り返す…というシステムベットをすると、初期ベット額1$に対し、【0.0976$】ずつ損していくということになります。
また、今回はキリの良い「初期ベット1$」に設定したため、【0.0976】はそのままハウスエッジ【9.76%】と捉えることも出来ます。


結論・パーレー法は勝てない
パーレー法は計算結果の通り、なかなか勝てません。
一番少ない「目標連勝2回」に設定しても、約24%で3$勝ち、約76%で1$負けるという、「勝率も低い」うえに「長い目で見ても負ける」悪手と言えます。
しかも目標連勝数を多く設定する度に、どんどん負けやすくなるというシステムベットなのです。
マーチンゲール法+パーレー法を使うことでお互いのデメリットを相殺出来る!という考えもありますが、これは個人的には正しいとは思えません。
- パーレー法・・・「1$負け」しやすい
- マーチンゲール法・・・「1$勝ち」しやすいが、試行回数を増やしてはならない
パーレー法で負けまくってしまえば、ひたすら「1$負けを取り返すためのマーチンゲール法=プラスにならないマーチンゲール法」を繰り返すことになります。
長い目で見れば「負ける」ことは間違いないでしょう。
ハウスエッジは高くなってしまいますが、それでも「マーチンゲール法」1本で目標金額を100$~200$ほどに設定し、「勝率95%以上で200$」をゲットしたほうが良いかと思います。

※どちらも長い目で見たら負ける確率が高いですし、マーチンゲール法単体のほうがハウスエッジが高いため破産する確率は高いです。
勝率50%・配当倍率2倍のゲームであれば、マーチンゲール法もパーレー法もプラスマイナスゼロのシステムベットです。
それが勝率49%とカジノ側が僅かに有利なので、お金の動き方に違いはあれど、何十万回と試行回数を重ねればどちらもいつか負けてしまうのです。
お金の動き
- マーチンゲール法・・・99%以上で1$勝つ。ごく稀に大負けする。長い目で見るとかなり負ける。
- パーレー法(目標連勝2回)・・・75%以上で1$負ける。たまに3$勝つ。長い目で見ると少し負ける。
- パーレー法(目標連勝10回)・・・99.9%以上で1$負ける。ごく稀に1023$の大勝ちをする。長い目で見るとかなり負ける。
マーチンゲール法は基本的に少額勝ち、大局的に大負けするシステムベット、パーレー法は、基本的に少額負け、大局的に見ても負けるシステムベットとなっているのです。


まとめ
パーレー法のやり方や勝率、期待値、勝てるか勝てないかについて検証・紹介してみました。
結果、「1回ごとでも勝ちにくく、長い目で見ても負ける」ため、個人的にはあまりおすすめ出来る方法ではないかなと感じております。


勝率50%、配当倍率2倍のゲームが存在すれば、フラットベット(毎回同じ額を賭けること)よりもお金の動きに緩急が付くため面白いとは思います。
- フラットベットじゃつまらない
- マーチンゲール法は怖すぎる
- 多少のドキドキ感は欲しい!
パーレー法は負けやすくはなってしまいますが、フラットベットだとお金の動きがつまらない!でもマーチンゲール法は怖すぎる…という方にはちょうど良いシステムベットなのかな?と言ったところでしょう。
破滅する危険性がありますが、「勝率95%以上で200$勝つ」といった芸当が出来るマーチンゲール法を個人的にはおすすめします。
また、パーレー法もマーチンゲール法も、限りなく勝率が50%に近く、またベット上限が高いゲームで遊ぶことでより楽しめるようになります。